山川みかん

山川みかん 

みかんの町が生んだ
瑞々しい果実

山川みかん

 「みかんの町」としても知られている山川町をはじめ、みやま市は甘くて美味しい「山川みかん」の名産地。皮が薄くて、濃厚な果実がぎっしりと詰まったフレッシュなみかんは、県内はもちろん全国でも「美味しいみかん」としてその名を広めている。みやま市での年間の生産量は約1万t(10.000㎏)で、「JAみなみ筑後柑橘部会」が品質をしっかりとチェック。同柑橘部会では「マル特(博多マイルド、ハニーみかん)」、「マイルド(マイルド130)」、「レギュラー」の3つのブランドに区分され、糖度や酸度などの基準値を設け、園地ごとに生産指導も徹底して行う。
 そんな山川みかんの美味しさの秘密は栽培法にあり。「マルチ栽培」を採用し、木の下にマルチシートと呼ばれる透湿性のシートを敷き詰め、地中の水分を調整。雨が続いても水分を吸いすぎないように、さらには太陽の光を木に反射させる役割も果たしている。適度な水分量で育てられることで甘みを蓄え、実がしまる。美味しいみかんであるために「マル特」と「マイルド」ランクはマルチ栽培が義務づけられており、夏場の暑い時期の作業は重労働になるが、多くの農家が取り入れている。
 そして近年、30代を中心とした後継者が町に戻り、青年部では研修会や勉強会を行ない、若い世代の生産者の育成にも力を注ぐ。「ノウハウを共有して美味しいみかんを出荷し、若手が中心となって販売促進の活動にも励んでいます。きちんと手を掛けて育てたものが評価される仕組みができているので、やりがいも大きいです」と青年部長の堤貴大さん。贈答品にも選ばれるトップブランドの品質を生産者が協力しあって支えている。
 濃いオレンジ色の皮をむくと爽やかな香りがふわり。薄い内袋からあふれだすジューシーな果実はきめが細かく、口の中ですっと溶けて甘い余韻を残す。9月から出荷がスタートする極早生に始まり、11月から早生、1月からは晩生と品種に応じて変わる味わいも存分に楽しみたい。

山川みかん